LiTaO3基板

LiTaO3 (タンタル酸リチウム) 基板とは、さまざまな電子および光電子用途で一般的に使用される結晶材料を指します。LiTaO3 基板に関する重要なポイントをいくつか示します。

1. 結晶構造：LiTaO3 はペロブスカイト結晶構造を持ち、リチウム原子とタンタル原子が特定の位置を占める酸素原子の三次元網目構造を特徴とします。

2. 圧電特性: LiTaO3 は圧電性が高く、機械的ストレスを受けると電荷を生成し、その逆も同様です。この特徴により、弾性表面波 (SAW) フィルターや共振器などのさまざまな弾性波デバイスで役立ちます。

3. 非線形光学特性: LiTaO3 は強力な非線形光学特性を示し、新しい周波数を生成したり、非線形相互作用を通じて入射光の特性を変更したりすることができます。これは通常、周波数倍増結晶や光変調器など、第 2 高調波発生 (SHG) または光パラメトリック発振 (OPO) を利用するデバイスで使用されます。

4. 幅広い透明度：LiTaO3 は紫外（UV）から赤外（IR）領域まで幅広い透明度を持っています。約 0.38 μm ～ 5.5 μm の光を透過できるため、この範囲で動作するさまざまな光電子アプリケーションに適しています。

5. 高いキュリー温度: LiTaO3 は約 610°C という高いキュリー温度 (Tc) を持ち、これはその圧電特性と強誘電特性が消失する温度です。このため、高出力音波デバイスや高温センサーなどの高温用途に適しています。

6. 化学的安定性: LiTaO3 は化学的に安定しており、ほとんどの一般的な溶媒や酸に対して耐性があります。この安定性により、さまざまな動作条件や環境における基板の耐久性と信頼性が保証されます。

7. 優れた機械的特性と熱的特性: LiTaO3 は優れた機械的強度と熱安定性を備えており、大きな変形や劣化を起こすことなく機械的応力や高温に耐えることができます。そのため、高出力アプリケーションや、機械的または熱的条件が厳しい環境に適しています。

LiTaO3 基板は、SAW デバイス、周波数逓倍デバイス、光変調器、光導波路などを含むさまざまな用途で広く使用されています。圧電特性と非線形光学特性の組み合わせ、幅広い透明性、高いキュリー温度、化学的安定性、良好な機械的および熱的特性を備えています。その特性により、エレクトロニクスおよびオプトエレクトロニクスの分野で多用途の材料となります。